眼の病気ガイド
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痔について

「日本人の3人に1人は、痔になってしまっている」この言葉を聞いて、あなたはどう思いますか?「え?意外に多いのね?」と答える人がほとんどではないかと思います。痔は、実は虫歯や近視などに次いで患者が多い国民病といわれているのですが、虫歯や近視のようにきちんと治療を受けている人の割合はぐっと減ってしまいます。なぜ痔の治療を受けている人が少ないのかというと最大の理由は「場所が場所だけに恥ずかしいから」なんです。今回は、国民病でありながら、治療を受ける人が少ないという問題を抱える、「痔」についてご紹介いたします。

痔

痔になってしまったJさんの体験記

「いてててて・・・」
最近Jさんは、お尻の痛みに悩まされていました。
「ひょっとしてこれが痔ってやつかな?」
と自覚はしつつ、病院に行くのはやっぱりちょっと恥ずかしい。

「うん、このくらいの痛みなら耐えられるし、大丈夫だろう」
と思って、そのままにしておいたのですが・・・

それから約一週間後。
「い・・・痛い痛い痛い!!!」

座ることさえできない激痛が、Jさんを襲いました。
もうここまできてしまっては、仕事にもなりません。
Jさんは仕方なく、肛門科の門を叩きました。

「ああ、これはいぼ痔ですね。痛みだしたのは昨日や今日の話じゃありませんよね?」

Jさんの状態を見て、医師が真っ先にそう聞いてきました。

「はい・・・」

「痛いのを我慢してきたんですね」

「すみません、恥ずかしかったものですからつい・・・」

すると医師は笑いながらこう言いました。

「何言ってるんですか、医者に対しては恥ずかしいとか思わなくていいんですよ。
だって私は毎日こういうのを見てるんですよ?
朝起きて、食事をして、痔を見て、食事をして、お風呂に入って、寝る。
私にとって痔を見るのは、メシ・風呂・寝る、というのと大して変わりません。
この私を驚かせるほどの痔なんて、そうそうあるものじゃないですよ。」

この医師の言葉を振り返って、Jさんはこう言います。

「なるほど~!と思いました。あのお医者さんの言葉のおかげで
痔の治療を恥ずかしがらずに受けられるようになったんですよね。
あんなに痔の治療をためらってた自分をバカだとも思いました。
もっと早くに行けばよかったです。」

私たちにとって痔は恥ずかしいことかもしれませんが、医師から
見れば「よくある症状」のひとつに過ぎません。

「痔は恥ずかしい」という気持ちは、ハッキリいってしまえば、自分の心の中だけの問題です。

3人に1人が痔になるんですから、実は珍しいことでもなんでもありません。
ちょっと勇気を出して最初の診察にさえ行けば、その後は恥ずかしさなんてほとんど感じなくなります。気になる兆候があるなら、すぐ病院へ行くようにしましょう。

痔になる原因は何?

どうして痔になってしまう人がこれほど多いのかというと、一言でいえば「人間が二足歩行だから」なんだそうです。確かに人間以外で痔に悩む動物は見かけません。

なぜ二足歩行だと痔になりやすいかというと、「肛門部分がうっ血しやすいから」なんです。

犬や猫など四足歩行の動物の場合、地面から見た心臓と肛門の高さはほぼ同じなので、
低い血圧でもスムーズに血液が流れ、しかもどこかにうっ血するということがありません。

これに対して人間の血液はタテ方向に循環することになるので血圧が高く、
さらに重力の影響もあって、下半身はうっ血しやすくなります。

ですから、人間はたとえ健康体であっても、そもそも痔になりやすい生活スタイルだと言えます。
そしてここに、別の要因が加わると、一気に痔になる可能性が高くなります。

その「痔になる可能性が高くなる要因」とはどんなものでしょうか?以下に挙げてみました。

痔になる可能性が高くなる要因

・ 便秘
便による圧迫感で血行が悪くなります。
さらに排便時にいきんでしまいがちなので、
肛門への負担が非常に大きくなってしまいます。

 ・ 冷え性
血管が収縮して、うっ血を悪化させます。

 ・ 喫煙
タバコのニコチン作用により、血管が収縮してしまい ます。

 ・ 座り仕事
同じ姿勢でずっと仕事をしていると、下半身の循環はどんどん悪くなります。
特に肛門部分はイスで圧迫されているので、うっ血がひどくなりやすいわけです。

 ・ 下痢
頻繁な排便により肛門部分への刺激が強く、
さらにこれも「便を出しきろう」といきんでしまいがちです。

 ・ ウォシュレットのないトイレ
肛門を紙で拭くだけでは、どうしても便が残ります。
強くこすれば肛門にキズがつきますし、
細菌感染の原因にもなりやすく、膿をともなう「痔ろう」を招くことにもなってしまいます。

 ・ ストレス
ストレスがたまると血管収縮を起こしてしまうだけでなく、
細菌などへの免疫力が低下してしまいます。
血流や細菌感染の両面で、痔を招きやすい要因といえます。

もし思い当たる部分があれば、痔になる可能性がありますので注意しましょう。

自分でできる痔の予防法は?

痔

できるだけ痔にならないようにするには、痔の要因を取り除くことが大切です。
とはいえ「二足歩行」という部分はどうしようもありませんので、
他の要因を取り除いていきましょう。

まずは便秘や下痢を改善すること。
これにはまず「食物繊維の摂取」が有効です。手軽なところとしては、
白米を玄米に変えたり、ダシ用の昆布を炊飯器に入れて炊く、というだけでも効果があります。

他にも、朝に「キャベツ+バナナ+オリゴ糖」をミキサーにかけた
フレッシュジュースを飲むのもおすすめです。
キャベツとバナナで食物繊維をたっぷりとり、さらにオリゴ糖で腸内環境の改善を行います。

冷え性で悩んでいる人は、とにかく下半身を冷やさないよう気をつけましょう。
たとえばひざ掛けを、遠赤外線効果のあるものに変えたり、
下着を赤色のものに変えるだけでも違います。
あと、入浴中に足の指の股をよくもむと、冷え症改善につながります。

そして、タバコはやめましょう。
ニコチンが血管に与える悪影響はかなりのものですから、
禁煙するだけで血管への負担は大幅に軽くなります。

座り仕事をしている人は、30分に1回は姿勢を変えたり座りなおしをしたりするよう心がけましょう。立ってお尻をこぶしで軽くトントンと叩くと、うっ血状態が改善されます。

自宅のトイレがウォシュレット式でない人は、
これを機会にウォシュレットを導入することをおすすめします。
ウォシュレットでの洗浄は清潔で肛門への負担が軽いため、痔の予防にも、
そして痔になってしまった時も、役に立ちます。

そして、ストレス対策は、ストレス自体を受けないようにするのは難しいので、
上手い「ストレスの散らし方」を覚えましょう。
たとえば仕事中にイライラがきたら、席をたってトイレに行き、
用を足してから深呼吸するだけでも、かなりの気分転換になります。

また、寝る前に大の字になって思いっきり手足を伸ばすのも心身の緊張がほぐれ、
リラックス状態になるのでおすすめです。

このように、日常生活にほんの少し気をつけるだけで、
痔のリスクは大幅に軽減することができます。

痔になってしまったらどうする?

「これは痔かな?」と思う症状が出たら、迷わず肛門科で治療を受けましょう。
先ほどあげたJさんの体験談にもあるように、患者としては恥ずかしい痔も、
医師から見れば「いつもと同じ仕事」にすぎません。

また、脅すようですが「痔だと思っていたらガンだった」というケースも時々あるようです。
ガンならなおさら早期発見が大切ですから、
そういう点でも、早めに医師に診てもらうことがとても重要になってきます。

そして、治療により痔の苦痛から開放されたあとも、
気を抜かずに「痔を予防するための生活」を心がけて下さい。
一度でも痔になったということは、
あなたの生活に「何らかの痔になりやすい要因があった」と言えます。

まとめ

痔の原因の一つには「血流」の問題が深く関わっていたことが、
今回のお話でわかっていただけたと思います。
血流改善は、痔の改善や予防にとって、重要なものです。

今回あげた痔の予防法は、
痔の治療後も再発防止に役立つことばかりですから、ぜひ参考にして下さい。

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